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MacユーザがRaspberry Pi2をセットアップする-2


k_raspi-install-05
前回ではRaspberry Pi 2にOS「Raspbian」をインストールしました。
ちなみにRaspbianはDebianというLinuxのディストリビューションが元になっており、APTというパッケージ管理システムで、ソフトウェアの管理が容易になっている事が特徴だとか。

■Raspbianを使用できるように設定する

今回の記事は、インストールが完了したRaspbianの基礎的な設定を行っていきます。

NOOBSでRaspbianのインストールが完了すると自動的に「raspi-config」が立ち上がるので
・日本語表示をデフォルトにする
・ssh接続を有効にする
上記の設定を行います。

その後
・Raspberry PiのIPアドレスを確認する
・Raspberry PiにMacのterminalからSSHで接続する
・Raspbianのアップデート/ファームウェアのアップデート

・rootのパスワード設定
・普段使い用のアカウントを作成する
ここまでやります。

 

・raspi-configを設定する

※raspi-config画面から抜けてしまった場合は

sudo raspi-config

と入力すると、再度設定できます。
ユーザ:piでログインしている現在、パスワードは「raspberry」です。

ここでは上下左右の矢印キーとTabキー、Enter(retun)キーを使って設定します。

k_raspi-install-02 k_raspi-install-03

・日本語表示をデフォルトにする

raspi-configで作業します。

Internatinalisation Options>Change Locale で
ja_JP.UTF-8 UTF-8 を選択

Internatinalisation Option>Change Timezone で
ASIA>Tokyo を選択

・ssh接続を有効にする

raspi-configで作業します。

Advanced Options>A4 SSH
<Enable> を選んでEnterを押します
画面に「SSH Server enabled」と出れば完了です。
k_raspi-install-04

この時点でRaspberry Piのキーボード、マウス、モニタは必要無くなります。
MacのTerminalからSSHで接続できます。下の作業はほぼ全てSSHで行っています。

ちなみに今行った日本語表示の設定は、表示されるメッセージが日本語になる、はずなんですけども、標準で日本語の表示ができないらしく、■■■■■といった形で文字化けします。
MacからSSH経由で接続した場合、日本語がきちんと表示されますので、日本語表示をデフォルトにしました。
Raspberry Pi実機で操作する場合は日本語表示できる環境を作るか、英語のままで操作するのがよろしいかと。

 


・Raspberry PiのIPアドレスを確認する

MacからSSHでリモート接続するためにはRaspberry PiのIPを確認しておきます。
pi@raspberrypi ~ $ という表記がでたら、

ifconfig

と入力。
inetアドレス:192.168.0.XX といった風に表示されますので、この数字をメモしておきます。

rasp-configを抜けたあとにはアップデートを行います(ここまでRaspberry Pi実機の操作です)

 

・Raspberry PiにMacのterminalからSSHで接続する

SSHでMacからRaspberry Piにアクセスします。
Macのアプリケーション>ユーティリティからTerminal.appを起動して

ssh ユーザ名@192.168.0.XX

と打ち込みます。sshとユーザ名の間は半角スペースです。
k_raspi-install-09
ユーザ名は「pi」を、(新規にユーザを作ったら、そのユーザでもログインできます)
192.168.0.XXは、Raspberry PiのIPアドレス(確認方法は下記の通り)を入力します。

SSH接続を切断する際は

exit

でできます。
pi@raspberrypi ~ $ という表記がでたら、

sudo apt-get update
sudo apt-get upgrade
sudo rpi-update

と入力します。
それぞれの行を入力してEnterキーを押すと、アップデートが進みます。
次に操作ができるようになるまでかなり待たされます。
特にsudo apt-get upgradeは初回は大量のデータをダウンロードするので、数時間単位で待たされます。


 ・Raspbianのユーザを整理する

Raspbianの標準アカウント「pi」はsudoというシステム管理権限をパスワードなしに使えてしまいます。
システム管理者(root)パスワードを設定、普段使い用のアカウントを作成、piユーザのシステム管理者権限から除外、という手順でシステムを守ります。

まずはrootのパスワードを設定してログインを可能にします。
rootはUNIX系OSのシステムの管理者名です。システムの改ざんもできる権限があるので、普段は使用しません。
先ほどから「sudo」というコマンドがちょくちょく出てきていますが、このコマンドは一時的にrootと同等の権限で実行するコマンドです。一般的に、電源を落としたり、ソフトウェアをインストールする際などに使用します。

さて、rootアカウントのパスワード設定について
pi@raspberrypi ~ $ という表記がでたら、
sudo passwd root
と入力し、rootのパスワードを設定します。2回入力を求められます。
これで ユーザ名:root のアカウントが使用可能になります。

 

・普段使い用のアカウントを作成する

次に普段使い用のアカウントを作成します。
pi@raspberrypi ~ $ という表記がでたら、
kamomeというユーザを作る場合は

sudo adduser kamome

その後フルネームなど聞かれますが、ログインには特に関係ないのでEnterを押して飛ばしてかまいません。

以上でただしいですか?[Y/n]

ときかれるので y と入力してEnterキーを押します

ユーザkamomeでsudoを使えるように設定します

sudo gpasswd -a kamome sudo

最後に ユーザpiでsudoを使えなくします

sudo gpasswd -d pi sudo

ユーザpiはsudoにパスワードが必要ない設定になっているので、その設定を無効にします。
pi@raspberrypi ~ $ という表記がでたら、

sudo nano /etc/sudoers

と入力します。

k_raspi-install-06
テキストエディタが立ち上がりますので、

pi ALL=(ALL) NOPASSWD: ALL

という行を探します。 頭に#を入力して、

#pi ALL=(ALL) NOPASSWD: ALL

このようにします。
Control+O、Enter、Control+X の順に入力します。
これで上書き、テキストエディタが終了します。

この時点でRaspbianには
・root
・今回作ったユーザ(kamome)
・pi
の3アカウントが使える状態です。

普段は今回作ったユーザでログインして使いましょう。


nanoとは

シンプルなテキストエディタです。Linuxに標準的にインストールされているソフトで、僕はnanoしか上書きも、普通の終了の仕方も知りません。ちなみにMacにも入ってます。

nano /ファイルの場所

でテキストファイルを編集できます。
Control+O で上書き保存 →保存する場所を聞かれるので、そのままEnterで完了
Control+X でnanoを終了
k_raspi-install-12k_raspi-install-13
MacのTerminal/SSH経由で使用する場合は、コピー、ペーストもできます。


・Raspberry Piにホスト名を設定する

私の目的はRaspberry PiでSoftEtherを動かすことなので、この後は必須ではありませんが、

ssh kamome@raspberrypi.local

というようにSSHの接続でホスト名を使うために、ホスト名で接続する設定avahi-daemonをインストールします。

さて、上で作ったアカウントでログインした状態で、

sudo apt-get install avahi-daemon

で、Enter。
使用するディスク容量などの情報がでるので[ y ]と答えてEnter。
k_raspi-install-07
インストールが完了すればMacのTerminalから

ssh ユーザ名@raspberrypi.local

で接続できるようになります。

ちなみにraspberrypi.localの部分を変更する場合は

sudo nano /etc/hostname

と打ち込み、Enterを押したときに、
k_raspi-install-08
このように「raspberrypi」と書いてあるテキストを変更します。
例えば「raspi2」とすると、SSHの接続は

ssh ユーザ名@raspi2.local

で通るようになります。
なおwindowsのsshクライアントからもホスト名で接続できました。

メリットは普通のブロードバンドルーターを使っていると、PC/Macを起動するたびに、割り当てIPアドレスが変わってしまうことがありますが、avahi-daemonを入れるとIPアドレスを毎度調べなくともホスト名でアクセスできるようになります。

SoftEther VPNサーバで使う場合は、Raspberry PiのIPを固定するので、この作業はあまり必要はないのですが、わかりやすさのために私はインストールしています。

なおこのavahi-daemonですが、Raspberry Piを起動すると、自動的に起動してくれますので、Raspberry Piに電源を入れるだけで、ホスト名でのアクセスができるようになります。べんり。

 


とりあえずこのくらいでしょうか。
他にも設定した方が良い事もあるのですが、このくらいまでやってあればまあ良いかと。

ここから使いたい用途に向けてカスタマイズを行っていく事になります。
ファイルサーバ、DLNAサーバ、水やり機、定点カメラ、twitter BOTなどなど。
私はSoftEther VPNを使って、VPNを作ります。

それでは次回、SoftEther VPNのインストールを行っていきます。
MacユーザがRaspberry Pi2をセットアップする-3

<Raspberry Piの設定を行った記事>
MacユーザがRaspberry Pi2をセットアップする-1(Raspberry PiにOSをインストール)
MacユーザがRaspberry Pi2をセットアップする-2(今回の記事/Raspbianを設定)
MacユーザがRaspberry Pi2をセットアップする-3(SoftEther VPNサーバーをインストール)
MacユーザがRaspberry Pi2をセットアップする-4(SoftEther VPNサーバーを設定)
MacユーザがRaspberry Pi2をセットアップする-5(WinでVPNに接続する)
MacユーザがRaspberry Pi2をセットアップする-6(MacでVPNに接続する)
MacユーザがRaspberry Pi2をセットアップする-7(ゲーム用VPNを作成する)