次世代映像コーデックのH.265。容量は半分でH.264の画質が保てるとか、4K・8Kの本命コーデックとか見かけたのですが、実感としてありません。ニコニコ動画、dアニメストアなどで使い始めたそうですが。
そんなH.265、Macの世界に浸透するには先は長そうなのですが、現状どんなソフトが対応しているか興味があったので、調べてみました。
2015年3月現在のMac関連で使用できるH.265関連ソフトウェア(バイナリ配布に限る)などを中心にまとめました。
●コンテナ
エンコーダ、デコーダを調べていたのですがH.265の映像コーデックを内包できるコンテナとしては
・MP4コンテナ
・mkvコンテナ
の二つが、今の所汎用的に利用されているようでした。
●調べてみたエンコーダ
ソフトウェア名 | サイトURL | 確認バージョン | 対応コンテナ |
DivX Converter | リンク | 10 以降 | mkv |
Handbrake | リンク | 0.10.0 以降 | mkv,mp4 |
ffmpeg | リンク | 2.5.2 64bit | mkv,mp4,mov |
ffmpegのH.265対応はlibx265がリンクされていないとエンコードできない模様。
またなんでもコンテナに入れられてしまうので、とりあえずmkv,mp4に加えてmovでもテストしました。
●調べてみたデコーダ
ソフトウェア名 | サイトURL | 確認バージョン | 対応コンテナ |
DivX Player | リンク | 10 以降 | mkv,mov |
VLC | リンク | 2.1.1以降 | mkv,mp4 |
Mplayer X | リンク | 1.0.22.1 | mkv |
またffmpegでmovコンテナに入れたものは、上記のデコーダーの中ではDivX Playerのみ再生できました。
mkvコンテナはQuickTime Player 7、QuickTime Player Xの両方で読めないのはもちろん、mp4とmovコンテナH.265の映像はYosemiteにおいてもやはり再生されず。
●その他
QuickTimeプラグインのエンコーダ、デコーダはネット上で販売/配布しているところは見つかりませんでした。
またAV Kit系と思われるFinal Cut Pro Xでもエンコードできるオプションがありませんので、Apple謹製のMacOS環境下では利用できません。
しかしiPhone 6/6 plusでは「携帯電話ネットワーク経由のFaceTimeはH.264/H.265を使用」(参照:ビデオ通話欄)ということで、iPhone6系同士のFaceTimeのみ利用できる状態のようです。
●まとめ
一応使い物になるエンコーダはありますが、エンコード速度はとても遅く、再生できるコンテナもソフトによってまちまち。安定して配布できる状況ではないことは確かです。
H.264の広がりはQuickTimeの公式サイトにフルHDのQuickTimeムービーが並んで、凄い力の入れようでした。またG5デュアルという贅沢なPCパワーでないと再生できない映像をシネマディスプレイで眺め、フルHDの時代が来たとワクワクしたものでした。
H.265も当たり前のように扱える環境を整備した上で、同じようなインパクトが出るのでしょうか。
QuickTime Player 7スキーとしては、安心して.movコンテナに収めて、それを安心して再生できるQTのデコーダープラグインが出てくれると嬉しいのですが。。。