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「Audio MIDI 設定.app」を紐解く


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触り方すら良くわからないMacOS Xソフトの一つ「Audio MIDI 設定.app」。
名前の通り、音とかMIDIを設定するソフトっぽいのですが、イマイチ動作が分かりづらくネットの解説記事も見かけないので、基礎的な部分について解説します。

このソフトはMacOSの音を出す為の流れを一括設定する為のソフト。
CoreAudioの設定フロントエンドです。
CoreAudioは音の入出力を担当するMacOS Xのソフトウェアです。音にリアルタイムエフェクトをかける機能、オーディオファイルの変換・再生、MIDIの連携も考慮されています。
元々プロ用の音の入出力に使われるソフトウェアを源流としているらしく、音を扱う機械を一括で管理できる、低レイテンシで、元データに忠実にできるだけ入出力するなど、非常に高機能かつ考慮されたものになっているようです。

前置きが長くなりましたが、多機能なCoreAudioのうち、
1.音の入出力の性能を設定する
2.音の入出力機器のグルーピング
3.MIDIの配線をネットワーク含めて行うこと
上記を行うアプリケーションが「Audio MIDI 設定.app」というわけです。
※まだ機能があったらスミマセン。

今回の記事では
1.音の入出力の性能を設定する
について解説します。
※2は後述しますが、別記事で一部解説しました。

Macで音を鳴らすとき、様々な音のフォーマットを出します。
iTunes: 44.1KHz/16bit
iTunes(ハイレゾ):96KHz/24bit
ニコニコ動画:24KHz/16bit
QuickTime Player:48KHz/24bit
上記はあくまで例ですが、いろいろな音を、1セットのスピーカーから音を出したいわけですね。

しかしMacから音を出す時点では機械の制限上、音のフォーマットを固定しておく必要があります。
そのためにアプリケーションが出す音をCoreAudio経由で
音の最終出口の性能・設定に合わせてリアルタイムに変換して出力します。

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この画像は私のMacBook Proで「Audio MIDI 設定.app」を起動した時に出るウィンドウです。

左のリストは音を録音、出力する機械や、機器セットを一望するリストです。
このうち内蔵出力はすべてのMacにデフォルトで付いているイヤホンジャックと内蔵スピーカーの二つを指します。
HDMIでテレビなどにつながっていたり、外付けのオーディオインターフェイスがつながっていると機器が増えます。

ウィンドウ右側は、左のリストで選択された「内蔵出力」の設定です。

このMBPの内蔵出力は96KHz/24bitのステレオ出力まで行えます。
動画を扱う場合は48KHz/24bitが多い為、設定はそれに合わせています。
再生する音と、音の出口の設定が異なる場合は、CoreAudioによってリアルタイムで再サンプルされるため、一般に音が変化します。その再サンプルで音が変化することを知覚できる方もいるようですので、できるだけ自分の用途に近いフォーマット設定を行っておきましょう。

iTunesでCD取り込みメインの場合:44.1KHz/16bit
動画メイン:48KHz/16bit、もしくは24bit
ハイレゾ音楽メイン:48KHz/24bit、96KHz/24bitなど
※まあ44.1KHz/16bitを超えた時点で、私にはどれも有意に差を感じることができませんでしたが。
よくわからなければデフォルトのまま触らないか、
48KHz/16bitあたりにしておけば問題ないと思います。

なお外付けのオーディオインターフェイスを使う場合は、「Audio MIDI 設定.app」で設定できないケースもあります。専用ソフトを使う、ハードウェアのスイッチを変更する、といったケースがありますので、説明書をよく読んでください。

なおCore Audio対応のソフト(例えばGarageBand,Audition等)は「Audio MIDI 設定.app」で設定したデフォルトの入出力機器とは別に、そのアプリケーションの目的ごとに入出力を設定することができます。
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この設定はAdobe Auditionの設定です。

 

なお2.音の入出力機器のグルーピング については
・5.1ch等マルチチャンネルの音を出す場合スピーカーの対応付け
・複数の音の出口から、同じ音を出す
といったような設定が行えます。
後者については「Macの複数のオーディオインターフェイスから、同時に同じ音を出力する方法」にて解説しましたので、よろしければご覧ください。

久しぶりの考察系な記事でした。
いかがでしたでしょうか。なにかの参考になれば幸いです。